4行日記
第9回 4行日記は難しい?
2018.11.28
4行日記法の指導や実際の4行日記の1本1本に助言を行うスーパーバイザーの仕事に従事する長嶺麻綾さんに寄稿いただきました。
【4行日記は難しい?】
「4行日記」は字の如く「たった4行」易しいようで、いざ!書き始めると…「発見が難しい」「事実のネタを探すのに苦労する」何故、その様な悩みが生まれるのか?取り組む上でのヒントとなる様、紐解いていきます。
<感想や気付きとの違いは?>
「発見」は感想でもなく、思った事でもなく、感じた事でも無い。では何?と感じる人も少なくないと思います。
例えば…
■ 桜が散る様子を見た
という「事実」から感想だと、「綺麗だな」「そろそろ梅雨が来るな」など。
その様子を見た、という刺激に対して、個々其々に“思う・感じる事”がありますね。
では、「発見」は?
◆ 何事にも旬はある
◆ 一つとて永遠は無い
など、背景にある法則性に着眼する。そうする事で普遍的な「気付き」が見えて来るのです。これが4行日記の「発見」です。
<「発見」が浮かばない>
「発見」の定義は分かったが、それでも“浮かばない”。こうなると、冒頭で書いた通り“悩み”になります。では何故“浮かばない”のか?
その原因は「事実」にある!と言っても過言ではありません。
「事実」は今日一日を振り返り、印象的だった出来事を一つだけ選びます。 “印象的だった出来事”となるとついその時、思った事を“書きたく”なりますが…事実に主観になると、「発見」は感想に留まる傾向が強くなります。「事実」は客観的に自身の行動を振り返る。直面した「課題」は何だったのか?「課題」が分かれば、追求です。課題解決策を導き出すアプローチとして、考え尽くす事をしていくと…「あっ!そっか!」と思わずポンと手を叩きたくなる様な“閃き”が起きる可能性が高まります。
<「発見」は考えるより“思い付く”>
「事実」から見えて来た自分の課題に対して考え尽くす(左脳を使う)、時には素早く“閃く”(右脳を使う)、時にはいくら考えても全く“閃かない”ことも起こり得ます。その時は、一旦考えるのを止める!“考えた”という痕跡はふとした瞬間に「あっ!これか!」という「発見」が見えて来る可能性も大いにあるのです。
<課題に向き合い、考え尽くせば「発見」は必ず浮かぶ>
「事実」を通して自分の課題を明らかにし、直視。どうしたら上手くいくのか、何故上手くいったのか?どうしてもその解が欲しい!と強く思い、考え尽くせば誰でも「発見」は思い浮かぶものです。「あっ!そっか!」という「発見」の感覚はとても気持ちが良いものです。そしてそれは意外と“単純だな”と思うものだったりします。
【因子別留意点】
「発見」が浮かばない、と感じた際に、自身の因子の“癖”が影響していないか?書き出した「事実」を確認してみてください。
A因子が高い人:
「起きた出来事」を通して「自身の行動」を振り返っていますか?
例:
■不正をしている人がいた。
* 自分の行動は?見たのか聞いたのか?更に不正とは?
B因子が高い人:
「起きた出来事」の前後、過程を重視し過ぎていませんか?
例:
■打ち合せに参加する予定だったが、他の業務を任されて代理を頼んだ。
*何が最も重要な出来事なのか?他の業務を任された事なのか、打ち合せに参加出来なかった事なのか、代行を依頼した事なのか?
C因子が高い人:
「起きた出来事」に対し、自身の判断した事や理屈で説明していませんか?
例:
■同僚が体調不良で休み仕事が滞った
*出来事の原因を先に分析し、導いた判断が事実になっていませんか?自身の行動を客観的に振り返るとどんな一行になりますか?
D因子が高い人:
「起きた出来事」に対しての喜怒哀楽を含む感情などが含まれていませんか?
例:
■的を得ない指摘を受けてイライラした。
*的を得ていないと“思ってイライラした”切っ掛けとなった出来事とは?自身に何が起きたのか?客観的に自分の行動を振り返ると何が起きましたか?
E因子が高い人:
「起きた出来事」に対して、遠慮や謙遜を事実に一切含めず「自身の行動」を振り返る。
例:
■上司からお褒めの言葉を頂いた。
*目上の人や取引先相手、顧客などであっても丁寧語や尊敬語は不要。それらは全て主観表現です。
ぜひ参考にしてみてください。