古野のブログ

裏切られたと思う受容、ナイーブな凝縮

2018.11.08

凝縮性は価値基準が明確です。
第三者との関係の作り方は、最初から自らの価値基準で合うか合わないか、もしくは役割として「やってください」と明確。その伝え方や接し方が「冷たい」とか「冷たくない」とか、感情的な要素がないに等しいのです。
日頃から、仕事を依頼した相手の動向を特に気に留めません。依頼したことが「出来た」「出来なかった」という事実のみ。オフィスで険しい顔をしていたとか、笑顔であったとかもどうでも良いのです。
そのため、相手の反応が変わったとしても特に気に留めることもなく、「結果のみ」。そもそも、二人の物理的な距離は縮めないのです。

受容性は受け入れる因子です。面倒見が良いという特徴があります。「相手にとって良いこと」をしてあげます。相手も「自分にとって良いことをしてくれてありがたい」と思っているだろうと思う傾向が強いようです。従って、「同調している」と捉えるのです。
そのため、二人の物理的な距離も詰めていきます。
しかし、相手が同じだという保証はありません。元々、そんな距離を望んでいなかったかもしれません。ただ単にたまたま近くなっても許していたに過ぎないのです。その近い距離感に、受容性の人は「相手も同じ思いのはず」となっているのです。
また、相手の表情などに敏感で、それを観察しています。
そのため、「相手の表情が曇っている」と「体調悪いのかなぁ」と心配になって、介入していきます。しかし、それをきっかけとして相手が引いていくと「冷たい人」となります。「同調している」と期待し過ぎた相手だと「裏切られた」と勝手に思い込んでしまう傾向があるのです。相手からすれば、身に覚えのないことですが。

人は「感謝されることは嬉しい」と思われますが、凝縮性の人は、「それが嬉しい」と感じるのはかなり限定されます。日常的な事ではそうではありません。「仕事だから、役割だから、やるのが当たり前」なので、何も反応がないのが良いのです。感謝されると「訝しく思う」のです。
また「それが当たり前」と過ごし感謝されることに慣れていないので「照れる」こともあります。ナイーブなんです。
A-B
受容性は〝人の役に立ちたい〟〝認めて欲しい〟ので「感謝される」ことが、一番嬉しいことです。逆に「感謝されていない」と心配になるのです。蔑ろになっていると感じることはストレッサーです。
我々が統計的に処理した日本人の第一因子は受容性です。凝縮と受容においては、2:8の割合です。従って、日本において「感謝すること」は概ね良い習慣でしょう。

「サンクスカードを送る」という社内イベントで組織活性を仕掛けている企業があります。受容性には効果があると思います。一方で、少数派の凝縮性には効果なく、逆に訝しく思われることで、カードを渡した人が心配になりますね。

ちなみに、前述の限定的ですが、凝縮性の高い人は価値観として「社会正義」を語りますから、見知らぬ〝第三者たちから感謝されている〟と知った時は嬉しいのです。身近の人だとあまり効果的ではないようです。

株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 16  B 9  C 14  D 17  E 3 / DAC

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

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