古野のブログ

「自覚がなく仕事をしていませんか」

2016.06.02

本日は、つい最近のホットな問題です。ジャーナリストのなれの果てとして、日々疑問に思ったことです。

我々は、「組織と人の課題」を解決することを支援していますが、その入り口としてFFSの基礎講座を位置づけています。それは、この講座に参加していただき、皆さん自身で「解決したいと思っている課題に対してFFS理論は有効か」を考えていただきたいからです。つまり、我々から「これいいよ」という営業的なアプローチをする気持ちはなく、皆さん自身で考えて欲しいからです。
さて、そんな主旨なので、講座への参加は少し狭くしています。人数は4社4名。また、解決したい課題が明確で、それを検討するために参加するかどうかも事前に確認させていただきます。少し上から目線だと思われるかもしれませんが、皆さんの大事な就業時間を3時間も費やしていただくのですから、無駄にして欲しくないのです。
そんな運営をしているため、事前アンケートに「課題解決したい」と書かれていても、念の為にメールで具体的な課題を聞かせていただいております。

さて、ここ1か月ほどで、「念の為に確認したいと」メールを送った方は4社です。返信は2社。1社の方は、その日の夜中に、丁寧に「解決したい課題、FFS理論を知った理由」まで書いて送っていただきました。熱い思いが行間にあふれるほどで、その本人も会社にも好意を持ちました。

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しかし、残りの2社の方からは返事が来ません。
2社は就職情報関連の大手R社、ポイント関連大手のG社です。
彼らの「自覚」に疑問を覚えたのです。

少なくとも、何らかのきっかけがあり、ウェブ等で調べて、我々を知り、さらに講座の存在を知り、申込みをした事実があります。しかも事前の申し込みアンケートでは「導入を検討する」ところのボタンを押しているのです。
つまり、何かの理由があるはずなので、課題を書いていただくか、正直に「まだ検討のレベルにない」なのか、それだけで事足りるのです。我々も内容によっては「FFSでは解決できません」と正直にお伝えします。時間を無駄にしていただきたくないからです。
しかし、返信してくれません。「調べて来い」と上司から指示をされたのであれば上司に確認するでしょう。本人が自ら参加しようと思ったのであれば、理由は書けるはずです。
彼らが参加しようと申し込んだのは、仕事のはずです。申込みが受け付けられなければ仕事は全うできません。どうすればいいと考えたのでしょう? そもそも自覚はあるのでしょうか? また、主体性はあるのでしょうか?  仕事をして報酬をもらっているのがプロフェッショナルですから、全うできないとなれば、プロとは言えないはずです。

と同時に、会社の看板、ブランドを背負っているという事実も忘れているのです。こちらも自覚が足りないのでしょうか?
我々は、この2社を〝礼儀を弁えない社員がいる会社〟として『会社』にも疑いを持ったのです。次からはその会社からの申込みを全てお断りします。会社名を書いて行動するということは、そういうことなのですよね。

これを書いている途中で、丁度基礎講座がある日の朝、1社の方から電話が入りました。「今日参加してもいいか」という内容です。
事務局が「お返事をいただいておりませんが」と答えると、「返信できていませんでしたが、参加できませんかね」とのことです。それで当日電話するのでしょうか?
念の為、この方はR社の方です。このブログをご覧の方でR社のOBの方がいると思いますが、ご存じの通り、我々と同様に情報提供のセミナーを開催し営業活動をおこなっています。つまり、同業に近いモデルにも関わらず、そんな対応をされたのです。
この会社の創業者は「君のような社員を採用したいんだと相談されるように、まず社員採用に費用と時間をかけた」ということを著書で述べています。これを例に皮肉ると「こんないいかげんな社員がいる会社とは取引したくない」と思われるように、社員教育している、ということになるのでしょうか?
憧れの企業と言われていた時代を知っているだけに寂しい限りですね。

これって〝人として〟の自覚の問題? それともモラルの問題?
はたまた、会社の教育の問題なのでしょうか?
「自覚なく仕事をしていること」は、社会的にも個人的にも、様々な問題を生んでいるのだと思います。

株式会社ヒューマンロジック研究所 代表取締役

古野 俊幸(ふるの・としゆき)

関西大学経済学部卒。
新聞社、フリーのジャーナリストなどを経て、1994年、FFS理論を活用した最適組織編成・開発支援のコンサルティング会社・CDIヒューマンロジックを設立。
CDIヒューマンロジックのホールディングカンパニーとして、1997年に株式会社イン タービジョンを設立し取締役に就任。2004年4月からインタービジョンの代表取締役に就任。その後、社名変更を経て、現職。
現在まで約600社以上の組織・人材の活性化支援をおこなっている。チーム分析及びチーム編成に携わったのは,40万人、約60,000チームであり、チームビルディング、チーム編成の第一人者である。

A 16  B 9  C 14  D 17  E 3 / DAC

使命感、決断力をもって、有事に変革を推し進めることを得意とする。組織先導型。

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