4行日記

第2回 : 何気ない日常に発見がある/人事コンサルタント(40代・男性)

2013.10.22

日常の中でどのように“発見”を見つけたらよいのでしょうか?

第1回の感想をお寄せたいただいた中に、「発見が難しそうですね」というコメントをいただきました。4行日記を書いている方の中でも発見できなくて、という声をお聞きします。そこで第2回は、企業の人事部門で働いておられた方で、40代前半で書かれた4行日記をご紹介させていただこうと思います。この方は、通勤、会議、商談などの普段されている仕事の場面においてや食事、買い物、子育てなど何気ない日常生活の中で発見を重ねてこられました。

そして4行日記を50本達成した後、数年を経て独立され、新たな一歩を踏み出されました。現在は50代を迎えておられ、一層ご自身の生活を充実されるとともに活躍の場を広げられておられます。日常の発見から人生の目的を見出され、実現されました。
日常を力に変える錬金術、当時4行日記を取り組まれていた時の心境をお聞きしました。

当時は新しい環境で新しい仕事に取り組んでいた時期であり、自分自身の在り様には目が行かず、環境適応だけを優先していたようです。また人事担当者としての「あるべき像」を追い求め、自分の苦手なことを無理に強化しようとしていましたので、そのことに対するストレスも増大していたような気がします。

10本を終えた時、スーパーバイザーであった小林先生の返信コメントにこうありました。
「あなたの“強味”が冬眠しているように思う、あなたの真の姿は、『一を知って十に活かし、自信をもって進んでゆくが、猛進することはなく、周囲に寛容な生き方をされる方』、それを前提にすると日常からの『発見』のスケールが小さく、『教訓』への昇華が不完全な気がする。こじんまり纏まらないで」との助言でした。

上手く書こうとして確かに頭で書いていたかもしれません。その言葉を切っ掛けに「自分らしさとは」を考えるようになりました。次第に発見が深まり宣言が変化していったようにと思います。

46本目の小林先生からのコメントが心に残っています。
そういえば学生時代に友人から「お前はすぐに動く奴だな」と言われたことを思い出しました。「即行動すること」は私の強みだったと。
「 頭が独り歩きしている人は多いもので、一億総評論家のようです。事実と意見を混同し、帰納法的に、誤った前提から誤った仮説を導き、その上、行動はしない。人間の価値は、他人事のような論評より主体的な行動ではないだろうか。ラスト4本、頭ではなく、全身で考え、全身に命じるような宣言をお願いします。」

のびのび自然体になった時見えてきた自分の「あるべき姿」

のびのびやろうと、自然体になったとき、自分の強みを活かし、できる、したい、すべきことが重なる姿に人事コンサルタントとして独立する道が見えてきました。また、これまで “仕事中毒”だったなとも。人生を、自分を見つめた50本でした。

それでは、4行日記をご紹介させていただきます。

■◆●★の箇所は、ご本人が書いたものです。
→以下は返信のコメントです。□◇○☆は参考例で使われる記号です。

20本目
このような場面は、誰しもありそうです。一杯のビールから活力のあり方を発見されました。

■事実:帰宅途中駅でビールを飲んだ。
→夏はビールですね。
◆発見:爽快感は非日常的な行動より導かれる
→全力で働き、全力で休む。それが自然ですね。
●教訓:気持ちを切り替えよ
→然り。
★宣言:私は、気分転換の達人です
→素晴らしい宣言です。

30本目
仕事の場面から、行動力の源泉の発見です。能動こそ最強の動機づけ、体で感じられた瞬間だったのではないでしょうか。

■事実:大学の就職課を訪問した。
→なるほど。
◆発見:能動的行動が必要情報を収集する
→待っていては何も始まりませんね。
●教訓:必要な情報を確保せよ
○参考:情報は足で集めろ!・・・・如何ですか?
★宣言:私は、情報収集の達人です
→素晴らしい!!!

33本目
歩いているとこんな発見もあります。潜在意識に課題があると、敏感に察知します。

■事実:日中、坂道を20分間歩いた。
→ご苦労様。
◆発見:節々の痛みは体の手入れの怠りを意味する
→体力が試されたんですね。
◇参考:運動不足・・・こんな発見は?
●教訓:健全な肉体を築け
→具体的に!
○参考:一日二万歩
★宣言:私は、体力です
→何か違和感がありますね。
☆参考:私は、心身を鍛錬している人間です。

50本目に近づいて、より鮮明になってきた自分の強み

38本目
共感される方もおられるのではないでしょうか。ご本人も気に入っている4行と教えていただきました。まさにご自身の目的が見出された4行日記だったのではないでしょうか。

■事実:仕事中毒と指摘された
→なるほど。
◆発見:仕事は人生のひとつの表現
→『表現』とは素晴らしい表現。
●教訓:我が人生を楽しめ
→それが、職業生活をも“より豊か”に開花させるでしょう。
★宣言:私は、人生を謳歌している自由人です
→素晴らしい。暗唱を忘れずに!!

46本目
普段何気なく見る光景からも発見が生まれていきます。4行全体から活き活きさが伝わってきます。自然体で書かれているのが解ります。

■事実:自転車二人乗りの学生男女を見た
→微笑ましい違法行為ですね。羨ましい。
◆発見:「輝き」は前向きな自己により育まれる
→そうでしょうね。
●教訓:今を生きよ
→然り。
★宣言:私は、生きる喜びに満ち溢れている人間です
→なるほど。そのためには如何なる行動をしますか?
☆参考:私は、未来を建設している人間です。・・・如何ですか?この行為の結果は“生
きる喜び”に通じませんか?

48本目
ご本人が一番気に入っておられる4行日記です。ご本人曰く、「その後の独立を予言したようでした。」自己拡大された堂々とした宣言で、未来のありたい姿がくっきりと描かれています。

■事実:3億円宝くじの広告を見た
◆発見:人生の最終目的は金品にあらず
●教訓:生きる目的を見い出せ
★宣言:私は、人生の目的達成者です
→申し分ありません。

いかがだったでしょうか。

4行日記から、真摯に自己と向き合い、対峙されている姿が浮かんできます。そうした取り組み姿勢が、日常を力に変えていくように感じます。
「天職」を得るために、また人生の目的を発見するために、何か特別な出来事が必要なので無く、心持ち次第、課題の置き方次第で、発見の芽が出てきます。
日常の中にこそ、発見のヒントが沢山ある。
一日として同じ日はありません。日々は新た、一日一生で臨み、充実した人生を生きていきたいですね。

ヒューマンロジック研究所 シニアコンサルタント  パーソナネルアナリスト SEPスーパーバイザー

蒋野かおり(こもの・かおり)

A:7 B:14 C15 D14 E3

柔軟に受け入れながら、合理的に判断し、積極的に動いていこうとする個性タイプ。

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